水俣病被害者の発言遮断問題 熊本県の木村敬知事の思いは… <定例記者会見でのやりとり全文>
熊本県の木村敬知事の10日の定例記者会見は、水俣病被害者の発言遮断問題に報道陣からの質問が集中した。やりとりの全文は次の通り。(発言遮断問題取材班)
Q 5月1日の水俣病犠牲者慰霊式後の懇談で、環境省の職員が発言中に音を絞ったり、マイクを切ったりしたことが問題になっています。国会では、環境省の水俣病問題に対する姿勢が問われる事態となっていますが、その場に同席していた知事としてどう感じているか、教えてください。
A 5月1日は大事な日ということで、朝からずっといろんな施設、乙女塚とかで意見交換しながら過ごしていましたし、慰霊式も頭から最後まで出たのは初めてで、語り部の会の方、そして今回問題の起きた関係団体、全部同席させていただいて、水俣病の問題が熊本県政にとって、いまだ解決しきれていない大きな課題と強く認識しておりますし、認識を深めました。そうした中で、あのようなことが起きて、簡単に申し上げれば本当に残念に尽きます。私もその場にいましたので、本当になんでこうなったのかというのがあります。伊藤(信太郎)大臣はすごく真剣に聞いていてくださった。事務方の不手際で、せっかくの意見交換が台無しになってしまったのは非常に残念です。私はその日終わってすぐ、大臣と一緒にいた秘書課長に「これじゃあかんですよ、見直さなきゃいけませんよ」ということと、「〝きつきつ〟の日程を組まんほうがいいですよ」とは申し上げました。ただ、その後の事務方の話し合いもうまくいかなかったようでして…。ただ、大臣が来て、謝ってくださったことは素直に、それは正しいことをされたと思ってます。意見交換を再度すると、大臣、環境省が明言されたので、お声がけがあれば、なるべくなら、私ももう一度立ち会いたい。
残り 6996字(全文 7740字)
RECOMMEND
あなたにおすすめPICK UP
注目コンテンツTHEMES
水俣病-
TSMC工場の排水懸念「水俣病の経験生かすべき」 熊本学園大「水俣学講義」で中地教授
熊本日日新聞 -
不知火海の水俣病健康調査に最新知見を 専門家検討会が初会合 東京
熊本日日新聞 -
水俣病この1年 続く裁判、解決程遠く 割れる司法判断、新たな提訴も
熊本日日新聞 -
立民の国会議員、水俣病患者らと面会 最終解決図る法案、提出に向け現地視察
熊本日日新聞 -
水俣病遺産の調査盛り込み「一定の評価」 市民有志ら「残す会」、文化庁認定の市文化財計画で
熊本日日新聞 -
木村熊本知事、浅尾環境相へ水俣訪問を要望 時期の回答なし 東京・環境省で初面会
熊本日日新聞 -
若い世代がつなぐ文化 教訓や思い、時代超え…【水俣病伝えて 相思社50年⑤】
熊本日日新聞 -
資料保存に懸念 資金不足、進む経年劣化【水俣病伝えて 相思社50年④】
熊本日日新聞 -
作家・石牟礼道子さんの多様な世界を再検証 熊本県立大で「文学部フォーラム」
熊本日日新聞 -
【年末回顧くまもと2024】③水俣病患者らの発言遮断 環境省、被害に耳傾けず…根強い不信、遠い信頼回復
熊本日日新聞
STORY
連載・企画-
移動の足を考える
熊本都市圏の住民の間には、慢性化している交通渋滞への不満が強くあります。台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出などでこの状況に拍車が掛かるとみられる中、「渋滞都市」から抜け出す取り組みが急務。その切り札とみられるのが公共交通機関の活性化です。連載企画「移動の足を考える」では、それぞれの交通機関の現状を紹介し、あるべき姿を模索します。
-
学んで得する!お金の話「まね得」
お金に関する知識が生活防衛やより良い生活につながる時代。税金や年金、投資に新NISA、相続や保険などお金に関わる正しい知識を、しっかりした家計管理で安心して生活したい記者と一緒に、楽しく学びましょう。
※この連載企画の更新は終了しました。1年間のご愛読、ありがとうございました。エフエム熊本のラジオ版「聴いて得する!お金の話『まね得』」は、引き続き放送中です。