船の沖出し、能登半島地震でも 津波避難、過去には犠牲者
能登半島地震の際、津波から船を守るため沖合に避難させる「沖出し」が行われたケースがあった。2011年の東日本大震災では津波にのまれ犠牲者が出ており、危険を伴う。水産庁は原則、乗船せず高台へ逃げるよう求める一方、地域ごとに沖出しのルール作りを呼びかけている。
沖出しは地震発生直後に、水深が深く海面上昇の影響が小さい沖合に船を出して津波をかわそうとする手法。
石川県珠洲市の60代の男性漁師は元日の地震で揺れが収まった後、家族に高台へ向かうように告げ、自身は船を出した。昨夏、約5千万円かけてエンジンなどを新しくしたばかり。息子も漁師で、継ぐことが決まっている。
「船が壊れても、国が全て補償してくれるなら、安心して高台に上がっている。命をかけて船を守らないといけないんだ」と語る。同じ漁港から他に5隻ほどが沖に出ていたという。
珠洲市などの海沿いでは、つなぎ留めていた船が転覆したり、打ち上げられたりする被害があった。
県漁業協同組合によると、金沢市や輪島市などでも沖出しが行われたとの情報がある。
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