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語り部の記憶つなぐ「伝承碑」 1972年の 天草大水害 山津波で甚大被害の上天草市姫戸町 地元中学で集会も
「岩肌だった山も今は木々の緑で覆われて…。水害の面影を残すのはこの碑ぐらい」。上天草市姫戸町の二間戸[ふたまど]団地公民館そば。高さ約2メートルの「災害復旧記念碑」を見上げると、本田明男さん(77)はしみじみと語り始めた。「たしか、碑の土台も災害で出た石を積み上げたはずです」
国土地理院が示す熊本県内の災害伝承碑は72カ所。半数近い34カ所が天草地域に点在する。うち13カ所が、1972年の天草大水害を伝える。山津波(土石流)が集落を襲い、死者・不明者計45人を出した旧姫戸町にある、この碑は「想像を絶する惨状を前に被災者は茫然[ぼうぜん]自失し為[な]すところを知らなかった」と記す。
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