探査機SLIM運用を再開 「月の起源」解明へ、発電が復活

共同通信 2024年1月29日 11:04
 月面でメインエンジンが上を向いた状態の探査機「SLIM(スリム)」(右上)。分離した超小型変形ロボット「SORA―Q(ソラキュー)」が撮影した=20日(画面の中央にデータの欠損があります)
 月面でメインエンジンが上を向いた状態の探査機「SLIM(スリム)」(右上)。分離した超小型変形ロボット「SORA―Q(ソラキュー)」が撮影した=20日(画面の中央にデータの欠損があります)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は29日、世界5カ国目の月面着陸をした探査機「SLIM(スリム)」の運用を28日から再開したと明らかにした。着陸時の姿勢異常で発電できなかった太陽電池パネルが、太陽の向きが変わって稼働し始めたとみられる。バッテリーもなくなり中断していた月面での鉱物観測も実施できたとしている。

 鉱物観測では、月の地中深くにあるマントルに由来する鉱物「かんらん石」の組成を分析し、月がどのように形成されたのか歴史を解明する。世界初となる「ピンポイント着陸」の成功に加え、月の起源に迫る研究でも成果が期待できそうだ。

 JAXAによると、28日夜に探査機との通信を確立し、特殊カメラによる岩石などの撮影も再開した。中断前に撮影した画像を基に対象を絞り、新たな画像を取得して岩石の組成を分析する。今後、さらに数日間の運用が見込まれるという。

 スリムは20日、月の赤道南側の「神酒の海」にあるクレーター付近に降りた。だが「逆立ち」するように頭側を下にして着陸し、太陽電池パネルは西側を向いていた。

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