月探査機、目標から55mに着地 精度10m以下、世界初実証
![月面でメインエンジンが上を向いた状態の探査機「SLIM(スリム)」(右上)。分離した超小型変形ロボット「SORA―Q(ソラキュー)」が撮影した(JAXA/タカラトミー/ソニーグループ(株)/同志社大提供)](/sites/default/files/images/newspack/2024-01PN2024012501001035.-.-.CI0003.jpg)
![月面探査機「SLIM(スリム)」=昨年6月、鹿児島県の種子島宇宙センター](/sites/default/files/images/newspack/2024-01PN2024012501000940.-.-.CI0003.jpg)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は25日、世界5カ国目となる月面着陸をした探査機「SLIM(スリム)」について、目標着地点から東に55メートル程度の位置に到着したと発表した。障害物の回避前で評価すると着陸精度は10メートル以下で、3~4メートル程度だった可能性が高いとしている。狙った場所の100メートル以内にピンポイント着陸させる世界初の技術実証は「達成できた」としている。
着陸後の状況は、逆立ちするように頭側を下にして、メインエンジンが上を向いたほぼ鉛直の姿勢で、太陽電池パネルが西を向いている。計画通りの姿勢ではなく、二つある主エンジンのうち片方の推力が、月面の高度50メートルで失われた可能性がある。
スリムは20日午前0時20分ごろ、赤道南側にある「神酒の海」のクレーター付近に着陸した。ただ着陸後の姿勢が想定とは異なり、太陽電池パネルに光が当たらないため発電できていない。
超小型変形ロボットは正常に作動し、スリムが頭からひっくり返るように月面に接地している様子などを撮影した。
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