石川・志賀原発で想定超える揺れ 規制委、新知見を既設原発適用も
原子力規制委員会は10日の定例会合で、能登半島地震の際に北陸電力志賀原発(石川県)で観測した揺れの加速度が、設計上の想定を一部でわずかに上回っていたと事務局から報告を受けた。安全上の問題はないとしているが、地震担当の石渡明委員は「今回の地震は非常に規模が大きく、専門家の研究結果を今後の審査に生かす必要がある」と述べた。
定例会合は、能登半島地震後初めて。今後、取り入れるべき新知見が得られれば規制に反映し、既設の原発にも適用する「バックフィット」も検討する。
志賀1、2号機は停止中で、2号機は再稼働に向けて規制委の審査中。山中伸介委員長は会見で、震源となった海底断層は「新知見として審査に取り入れなければいけない」と指摘。バックフィットを実施するかどうかは、専門家による研究だけでも「年単位の時間がかかるだろう」との見通しを示した。
志賀原発で変圧器が破損して油が漏れ、外部電源が一部使えなくなっていることなど被害状況も報告された。山中氏は「原因をきちっと解明してもらう必要がある」と要望した。
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