ツシマヤマネコ、野生へ戻す 交通事故で保護、訓練開始
![ツシマヤマネコの「ひかり」=10月、長崎県対馬市(対馬野生生物保護センター提供)](/sites/default/files/images/newspack/2023-12PN2023121501001364.-.-.CI0003.jpg)
![交通事故に遭い、対馬野生生物保護センターに発見されたツシマヤマネコの「ひかり」=7月、長崎県対馬市(同センター提供)](/sites/default/files/images/newspack/2023-12PN2023121501001365.-.-.CI0003.jpg)
![「ツシマヤマネコ野生順化ステーション」で訓練中の「ひかり」=11月、長崎県対馬市(環境省対馬自然保護官事務所厳原事務室提供)](/sites/default/files/images/newspack/2023-12PN2023121501001366.-.-.CI0003.jpg)
国の天然記念物ツシマヤマネコの絶滅を防ぐため、環境省の「ツシマヤマネコ野生順化ステーション」(長崎県対馬市)が、自然環境で生き抜けるよう訓練した雄1匹を来春、初めて野生に戻す方針を固めたことが15日、分かった。保護や増殖に向けて設置された同施設として初の野生への「放獣」で、約10年越しの計画の一つの成果となりそうだ。
新潟県のトキや兵庫県のコウノトリなど鳥類を施設で増やし、野生復帰させたケースはあるが、哺乳類では国内に先例がない。今回放獣する雄「ひかり」は野生下で生まれた。人工繁殖させた個体を訓練して自然に返す「野生復帰」とは異なるが、第一歩となる可能性がある。同施設の担当者は野生復帰に向け「得られる知見は多い」と期待する。
環境省によると、ツシマヤマネコは1960年代には島内に約300匹いたが、土地開発や交通事故などで約100匹に減少。回復に向け、12~14年度に同施設を整備した。
ひかりは、23年に交通事故に遭い「対馬野生生物保護センター」で保護された。推定で生後2~3カ月だった。
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