熊本県へのふるさと納税、寄付額「倍増」の勢い 23年度 ルール厳格化前の駆け込み、返礼品の拡充効果も

熊本日日新聞 | 2023年11月21日 21:07

 熊本県に寄せられる「ふるさと納税」の2023年度の寄付額が8億7千万円程度と、22年度から倍増する見通しだ。熊本地震からの復旧を後押ししようと各地から桁違いの額が集まり、過去最多となった16年度に次ぐ水準。今年10月の返礼品ルールの厳格化を前にした駆け込み寄付が押し上げ、返礼品の拡充効果もあったとみられる。

 ふるさと納税は、地方自治体に2千円を超える寄付をすると、居住地の住民税などが軽減される制度。県は08年度から受け付けており、熊本地震が発生した16年度は50億3500万円が寄せられた。直近の実績値である22年度は4億3449万円だった。

 寄付件数が最も多かったのも16年度で2万4149件。22年度は4924件で、23年度は2万2千件程度と大きく増え、過去2番目となる見込みだ。

 ふるさと納税を巡っては寄付を呼び込むため、過度な返礼品を準備する自治体間競争が過熱。これを問題視した総務省が今年10月、返礼品とする地場産品をより厳格にするといった新ルールを設けた。

 これに伴い、返礼品に必要な寄付額を引き上げる自治体が全国的に増加。熊本県の場合、寄付額を見直さなかったが、県税務課の担当者は「引き上げ前に駆け込み寄付を促す宣伝などがあり、県への寄付額の伸びに影響を与えた」と話す。

 県は23年5月に返礼品の比較や納税申し込みができる民間ポータルサイトを三つから四つに拡充。22年3月末に173品目だった返礼品の数を今年9月末時点で780品目に増やした。県はこれらも伸びの要因とみている。人気を集めているのは、県産の果物や肉などが複数回届く定期便や、県内の宿泊施設でも使える旅行クーポンという。

 一方、寄付額の増加でポータルサイトへの手数料や、返礼品費といった諸経費3億2800万円が追加で必要となり、県は12月1日開会の定例県議会に提出する23年度一般会計補正予算案に計上する。(横川千夏)

  ◆ふるさと納税のルール変更 今年10月、返礼品として認める地場産品の基準を見直した。加工や製造の主要部分を地域内で実施していれば原則、認めるが「熟成肉」と「精米」については、原材料が同じ都道府県内産であることを求めた。返礼品の調達や配送といった経費の総額が寄付に占める割合を「5割以下」とする運用も厳格化した。

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