エイの形の和風パイ、熊本・宇城市不知火町の洋菓子店が商品化 「巨大なエイに乗って現れた神」 地元神社の古事ちなみ

熊本日日新聞 | 2023年9月19日 17:31

永尾剱神社の古事にちなみ、エイをかたどった「エイパイ」
奉納された「エイパイ」を持つ丸目公一宮司(左)と小橋登さん=宇城市

 熊本県宇城市不知火町の洋菓子店「亜湖の木」が、永尾剱[えいのおつるぎ]神社(同町)の古事にちなんで商品化した「エイパイ」が完成した。エイの形をしたしょうゆ風味のユニークな菓子で、新たな土産ものになりそうだ。

 713年創建の神社は、主祭神の海童神[わだつみのかみ]が巨大なエイに乗って現れたと伝わる。同店社長の小橋登さん(58)は、5年ほど前から「ご当地パイを作りたい」と考えており、伝承に着想を得た。母方の実家が神社近くの松合地区で、漁師らが面白がって船から子どもたちにエイを投げていた幼少期の記憶も重ねた。

 縦8センチ、横12センチのパイはしょうゆを塗り、ざらめを振って焼き上げる。さくさくとした食感で、甘じょっぱい味は祖母が作るエイの煮付けをイメージしたという。ギフト用の箱には社紋を入れ、願い文を書く神社オリジナルのエイ形の折り紙を封入するなど、神社とのコラボ商品に仕上げた。

 14日、松合一帯で開かれた「不知火海の火まつり」に合わせ、小橋さんがエイパイを神社に奉納した。

 丸目公一宮司(50)は「おいしいパイと一緒に古事を伝えられたらうれしい」と話した。小橋さんは「ストーリー性のある菓子を通じ、不知火のことを広く知ってほしい」という。エイパイは同店で1個245円で販売中。(飛松佐和子)

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