「国が普及急ぎ過ぎた」「取得強制されている」 マイナカードに意見さまざま 「トラブル確率ごくわずか」指摘も 取得しても不安の声根強く【S編アンケート】
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誤って他人の情報を登録したり、別人の住民票や抹消済みの印鑑証明書を発行したりといったトラブルが発生しているマイナンバーカード。熊日の「SNSこちら編集局」が会員を対象に実施したアンケートには「国がカード普及を急ぎ過ぎた」「カード取得が強制されている」など、政府の姿勢に対する不満が相次いだ。一方で「トラブル発生の確率はごくわずか。冷静に対応すべきだ」といった意見もあった。
アンケートは6月28日から7月2日に実施し、熊本県内を中心に1016人が回答した。
カードへの否定的意見では「任意だったはずが、いつのまにか強制同然になっているのはおかしい」(荒尾市、50代男性、会社員)や「さまざまな身分証明書をマイナカードに一本化するのは時期尚早だ」(熊本市、20代男性、大学生)、「カードを作る際のシステムのレベルが低かったと思う」(熊本市、40代女性、主婦)などがあった。
これに対し、擁護する声としては「新しい技術が出るたびに袋だたきにするのは良くない。新しい技術に寛容な社会をつくらないと人材は育たない」(熊本市、30代男性、会社員)や「カードの不具合ではなく、入力時の手順や代行者の怠慢によるものがほとんどでは」(益城町、60代男性、会社員)などがあった。
871人がマイナカードを持っていると回答。アンケートは無作為抽出の世論調査とは性格が異なるが、カードを持っている人のうち「不安がある」としたのは「大いに」と「ある程度」を合わせて73・9%で、「あまりない」「ない」の22・5%を大きく上回った。年代別では30代以下よりも40代以上で不安がある人の割合が高い傾向が見られた。
一方で、実際に困り事やトラブルに巻き込まれたことがあると答えたのは5・3%の46人。医療機関の窓口で健康保険証として読み取りができなかった事例が多かったが、「夫のカードと私のカードで写真が入れ替わっていて、再申請という状態になり大変だった」(大津町の40代会社員)といった事例もあった。
マイナカードを取得した理由を一つだけ答えてもらったところ「マイナポイントがもらえるから」が最多の47・6%。「行政手続きが便利になると思った」25・4%、「身分証として利用できる」10・3%と続いた。(太路秀紀)
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熊本市出身。早回しの歌に乗せた形態模写やデフォルメの効いた顔まねでデビューして45年。声帯模写も身に付けてコンサートや座長公演、ドラマなど活躍の場は限りなく、「五木ロボ」といった唯一無二の芸を世に送り続ける“ものまね界のレジェンド”です。その芸の奥義と半生を「ものまね道」と題して語ります。