マイナカード「印字が不鮮明」でオンライン手続き使えず 熊本県菊陽町が謝罪 デジタル庁「把握していない」

熊本日日新聞 2023年6月29日 19:13
枠内は、主婦のマイナンバーカードに印字された文字。実際より拡大しているが、つぶれて読みにくくなっているのが分かる(画像の一部を加工しています)
枠内は、主婦のマイナンバーカードに印字された文字。実際より拡大しているが、つぶれて読みにくくなっているのが分かる(画像の一部を加工しています)

 熊本県菊陽町で3月、「マイナンバーカードの印字が不鮮明」というアナログな理由から、オンライン手続きの身分証明にカードが使えない事案が発生していたことが29日、分かった。菊陽町町民課によると、不鮮明事案は数件あり、印字用の専用機器が不調だった可能性がある。

 機器は他の自治体でも使われているが、デジタル庁は熊日の取材に、同様の事案が全国で起きているかどうかは「把握していない」と答えた。

 菊陽町の主婦(33)は昨年春、県内の他の自治体から同町に引っ越し、町役場でマイナンバーカードの「転入先」の欄に新住所を印字してもらった。

 ところが今年3月、少額投資非課税制度(NISA)を利用するためインターネット証券で口座を開設しようとしたところ、手続きに使おうとしたマイナンバーカードの新住所の文字がつぶれていると証券会社側から指摘を受け、カード画像を使ったオンラインでの身分証明ができずに口座を開設できなかった。

 主婦のカードは、「熊本県菊池郡菊陽町」や番地の部分が黒くつぶれていて読みにくく、熊本県内の土地になじみがない場合は判読困難。主婦は「便利だと聞いてカードを作ったのに意味がない」と憤った。

 菊陽町町民課は熊日の取材後、主婦に面会して謝罪し、その日のうちに印字を修正した。機器の不調は定期点検を経て、現在は解消しているという。

 デジタル庁は「印字の鮮明・不鮮明についてはそれぞれの状況によるものだ」としている。(田中慎太朗)

 ※S編では7月2日までマイナンバーカードの利用者や自治体職員に、カードを巡るトラブルの有無などを尋ねるアンケートを実施しています。友だち登録して回答してください。

RECOMMEND

あなたにおすすめ
Recommend by Aritsugi Lab.

KUMANICHI レコメンドについて

「KUMANICHI レコメンド」は、熊本大学大学院の有次正義教授の研究室(以下、熊大有次研)が研究・開発中の記事推薦システムです。単語の類似性だけでなく、文脈の言葉の使われ方などから、より人間の思考に近いメカニズムのシステムを目指しています。

熊本日日新聞社はシステムの検証の場として熊日電子版を提供しています。本システムは研究中のため、関係のない記事が掲出されこともあります。あらかじめご了承ください。リンク先はすべて熊日電子版内のコンテンツです。

本システムは「匿名加工情報」を活用して開発されており、あなたの興味・関心を推測してコンテンツを提示しています。匿名加工情報は、氏名や住所などを削除し、ご本人が特定されないよう法令で定める基準に従い加工した情報です。詳しくは 「匿名加工情報の公表について」のページ をご覧ください。

閉じる
注目コンテンツ
熊本のニュース