「幸惠おばさん」安らかに 熊本豪雨で不明、城さん親族「区切り」 記事供えお別れの会 失踪宣告も確定

熊本日日新聞 | 2023年5月21日 07:58

熊本豪雨で行方不明となった城幸惠さんのお別れの会で、祭壇に手を合わせるおいの城文博さん(左から2人目)と裕子さん(左)夫妻=20日、芦北町
城幸惠さんの写真を持つおいの文博さんと妻の裕子さん。手前の風呂敷包みは、幸惠さんの記事が掲載された新聞記事=17日、芦北町

 2020年7月の熊本豪雨で行方不明になった熊本県芦北町天月の城幸惠さん=当時(89)=のお別れの会が20日、同町白木の西林寺で営まれた。法律上死亡したとみなされる「失踪宣告」が確定し、親族は豪雨から3年を前に一つの区切りをつけることにした。

 親族ら約30人が参列したお別れの会。喪主を務めたおいの文博さん(75)と、妻の裕子さん(74)たちが静かに手を合わせた。文博さんは「在りし日の幸惠おばさんをしのんでください」と呼びかけ、裕子さんは幸惠さんのために作られた歌を歌った。

 20年7月4日の豪雨では、町中心部の佐敷地区にある文博さん方は床上70センチまで浸水した。「おばさんは大丈夫だろか」。幸惠さんは13キロ離れた球磨川沿いに1人で暮らしていた。道路は冠水し、車は使えない。文博さんが自転車と徒歩で3時間かけてたどりつくと、平屋の住宅は天井まで水の跡があり、幸惠さんの姿はなかった。「おばさん、おばさーん」。声を張り上げたが、返事はなかった。

熊本豪雨で行方不明となった城幸惠さん方で手を合わせるおいの城文博さんと妻の裕子さん=17日、芦北町

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