水俣病闘争、活動の意義を再確認 「東京・水俣病を告発する会」発足50周年シンポ

熊本日日新聞 | 2020年12月7日 09:58

「東京・水俣病を告発する会」の50年間を振り返り、活動の意義を再確認したシンポジウム=5日、東京都千代田区
「東京・水俣病を告発する会」の50年間を振り返り、活動の意義を再確認したシンポジウム=5日、東京都千代田区

 水俣病患者の闘争を首都圏から支えた「東京・水俣病を告発する会」(東京告発)の発足50年に合わせたシンポジウムが5日、東京都内であり、メンバーや支援者ら約50人が活動の意義を再確認した。

 「水俣病を告発する会」が熊本にできた翌年の1970年、在京の研究者やジャーナリスト、学生らで発足。患者と原因企業チッソの幹部が相対した自主交渉や、株主総会に乗り込むための「一株運動」を支えた。

 シンポジウムでは、東京大の1年生で東京告発に加わった元浦和大准教授の矢作正さん(69)が、個々の自立性を重視する同会の運動方針を説明。「自らの生き方や社会を考える上で、水俣病闘争から多くを学んだ」と振り返った。

 東京告発は現在、現地水俣の動きや関連訴訟の進捗[しんちょく]を伝える季刊誌「水俣支援」を発行しているほか、水俣や新潟の関係者を招くシンポジウムを年2回開くなどしている。

 事務局の久保田好生さん(69)は「患者の思いを支え、手足となるのが支援者。50年は区切りではなく、上京する人たちが気軽に訪れる場所として今後も続けたい」と話した。(並松昭光)