校則見直し 欠かせない子どもの視点

02月23日 09:11

 子どもの人権を損ねる理不尽な校則を見直そうという動きが全国の学校などで広がっている。児童生徒の学校生活を制約する校則とは、いったい誰のための、何を目的としたルールなのか、社会全体で検証する好機としたい。

 大阪府立高の元女子生徒が、学校から髪を黒く染めるよう強要されたとして損害賠償を求めた訴訟。大阪地裁は判決で、校則は「正当な教育目的で、社会通念に照らし合理的」とし、校則と頭髪指導の違法性を認めなかった。

 この判決に対し、識者らは「時代錯誤で残念」「人権感覚がずれている」などと批判した。一方で、学校生活の中で一定の制約を設けることは教育上認められ、我慢や禁欲、自制についての指導も必要との指摘もあった。

 文部科学省によると、校則に明確な法的根拠はない。内容が理にかなっていれば、校長の裁量で制定できるとされる。ただ、実際には、子どもたちの意見が反映されず、学校側のお仕着せになっているケースが多いのではないか。

 校則は、学校という閉鎖的な疑似社会における“法律”だ。個人の多様性や自主性の尊重と、集団生活を維持する上で必要な私権の制約との間で、合理的、論理的なバランスが保たれた内容でなければなるまい。

 ある専門家は、理不尽な校則が容認されている原因の一つに「学校依存社会」を挙げる。確かに、地域や保護者が学校に対して、学習面だけでなく、生活上のしつけや社会的なマナーの指導まで期待してきた側面は否めない。

 だが、生来の茶髪を黒く染めさせたり、下着の色まで指定するような規則は人権侵害にほかならない。こうした校則は直ちに見直すべきであり、見直す際は、子どもを中心に学校や保護者、地域が一体となって知恵を絞るべきだ。

 福岡や佐賀の弁護士会は校則を検証し、「下着は白」など不合理な校則や生徒指導の見直しを提言した。名古屋市ではすべての市立中で、生徒手帳の内容の見直しが始まったという。

 熊本市教育委員会は市立小中学校の校則について、「人権や社会通念に照らして見直す」との方針を示した。見直しのガイドラインを策定する際は、(1)児童生徒が自ら考えて決める仕組みづくり(2)必要かつ合理的な範囲内(3)内容の公開-の3点を踏まえるという。昨年12月の市議会一般質問では、遠藤洋路教育長が「どんな校則が人権侵害に当たるかも基準に明示する」とも答弁している。児童生徒の視点に立った内容となるよう努めてほしい。

 学校が集団生活の場である以上、何らかのルールは必要だ。だが、校則の意義や意味さえ伝えず、唯々諾々と従わせるような指導が続けば、世の不条理に対する正当な抵抗力や批判精神も損なわれてしまう。校則による過剰な管理によって、子どもたちの自由な思考力や発想を奪うことがあってはならない。

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