
熊本県合志市の住民でつくる「合志市音声訳グループこだま」(八代絹子代表)が、行政などの広報誌を読んで録音するボランティアを始めて今年で25年を迎えた。メンバーたちは、これからも目が不自由な人たちに声の便りを届け続けるため、決意を新たにしている。
ボランティアグループは1996年、合併前の旧合志、西合志両町にそれぞれ発足。2006年の合併でグループを一本化し、現在は60~80代の16人が、市御代志市民センターを拠点に活動する。
音声訳しているのは市、市議会、市社会福祉協議会の3広報誌。5~6人ずつ3班に分かれ3カ月に1回、順番で担当する。音声はメンバー自らパソコンで編集しCDに収録。文字だけでなく、表やグラフの数字なども文章化している。
CDは30枚ほど作成。目が不自由な人のほか、図書館や国立ハンセン病療養所・菊池恵楓園など5施設へ届けている。市ホームページからも聴ける。
「こだま」は、視覚障害者の外出介助や福祉施設などでの読み聞かせ活動にも励んでいる。昨年は障害者の生涯学習支援に対する功績が認められ、文部科学大臣表彰を受けた。
八代代表(66)は「新型コロナウイルス禍でも活動は中断できない。『目の代わり』として寄り添い続けたい」と力を込める。(木村恭士)