JAあしきた(熊本県芦北町)は8日、元常勤役員の73歳と69歳の男性2人が、運送関係の取引業者から受け取った同JAへの寄付金100万円をそれぞれ着服していたと発表した。同JAは7日に開いた理事会で、2人を業務上横領容疑などで刑事告発することを決め、手続きを進めている。
同JAによると、73歳男性は2014年12月、69歳男性は15年4月に100万円を受け取った。19年度の税務調査で、この業者が寄付金として処理していた200万円が、同JAの会計に計上されていないことが発覚。同JAは業者から寄付があったことを把握しておらず、その後の調査で2人が着服していたことが分かった。
2人は既に任期満了と自己都合で退任。重加算税と重加算金を含む被害金額217万1100円は、全額返金済みという。
千々岩巧組合長は「このような事案が二度と発生することがないよう、不祥事の未然防止・再発防止に取り組み、コンプライアンス体制の一層の強化を図る」としている。(山本文子)