燃料電池医療車を実証実験へ 熊本赤十字病院とトヨタ 災害時の活動拠点に

熊本日日新聞 | 2021年04月06日 16:42

トヨタが開発した燃料電池医療車。災害時の被災地での電源供給も想定している(熊本赤十字病院提供)

 熊本赤十字病院(熊本市東区)とトヨタ自動車(愛知県豊田市)が、水素で発電する燃料電池(FC)を使った医療車の開発を進めている。災害時には医療チームと被災地に向かい、救援の活動拠点の役割を担いつつ、環境負荷の少ない発電機としての活用も想定。4月中旬にも病院に試験車両が届き、実証実験を始める。

 車両は、トヨタの小型バス「コースター」に、燃料電池車「MIRAI(ミライ)」の発電システムを搭載した。車内外にはコンセントを配置。普段は、患者の搬送や野外イベントでの電力供給に活用し、災害時には避難所の外部電源としても活用する。

 出張診療やPCR検査などでの利用も見込む。空調には、ウイルス感染を予防できる目の細かいフィルターを採用。病院と車両をオンラインで結ぶ通信システムも搭載する。

 熊本赤十字病院によると、2011年の東日本大震災を機に、医療スタッフが救援に駆け付ける際の資機材の研究、開発に着手。この取り組みをトヨタが評価し、共同で医療車の検討を始めた。今回の試験車両の開発費はトヨタが負担。24年4月まで運行実証を続け、将来的には全国への普及を目指す。

 熊本赤十字病院国際医療救援部の曽篠恭裕救援課長は「この燃料電池医療車の共同実証が、人々の命を守る新たな技術開発につながることを願っている。水素社会の実現を目指す仲間が増えることにも期待したい」と話している。(上島諒)

記事アクセスランキング

  1. ${ranking.title}

※アクセス数(24時間以内)を元に集計

フォローする

  • facebook
  • twitter
  • LINE
  • youtube
  • note