天草に南蛮貿易の証しか 河浦町で中国・古壺の破片出土

熊本日日新聞 | 2021年03月22日 11:00

出土したトラディスカント壺の破片。鮮やかな緑の着色が分かる

 熊本県天草市が同市河浦町の一町田地区で実施している埋蔵文化財の発掘調査で、県内3例目となる「華南三彩 トラディスカント壺[つぼ]」の破片が見つかった。同壺は中国南部で16世紀末から17世紀前半ごろに作られており、当時の天草と南蛮貿易との関係性をうかがわせる。

 調査は崎津集落(同町)の世界文化遺産登録で市に義務付けられた「継続的な調査」の一つで、市が1月から試掘を開始。一町田は宣教師アルメイダが天草にキリスト教を伝えた地とされ、統治していた天草氏に関連する遺跡などの発見が期待されていた。

 発見された「トラディスカント壺」の破片は幅約4センチで、信福寺付近の地上から1・1メートル下の堆積層から出土。緑や黄色の鮮やかな色彩が特徴という。市文化課の中山圭学芸員(44)は「県内では二本木遺跡(熊本市)、人吉城跡に続く出土。県外では大分市の豊後府内遺跡や堺市、長崎市など南蛮貿易が盛んだった場所でしか見つかっていない」と、物証としての重要性を認める。

 今回の調査では、信福寺と安養寺付近や田畑など27カ所を試掘。他に戦国時代の素焼きの土器や青磁器の破片、中国の古銭など約200点が出土した。

 20日は現地で市民向けの説明会があり、44人が参加。崎津集落に住む浦崎総平さん(73)は出土品の解説を聞きながら、「河浦町の歴史の解明につながってほしい。あとはキリシタンにまつわる物が出てほしいですね」と話していた。

 試掘調査は2022年度まで。これまで掘った場所は埋め戻し、出土品は市の資料館での展示を予定している。(谷川剛)

トラディスカント壺の破片が出土した場所で説明する中山圭学芸員(左)=天草市

記事アクセスランキング

  1. ${ranking.title}

※アクセス数(24時間以内)を元に集計

フォローする

  • facebook
  • twitter
  • LINE
  • youtube
  • note