ススキこんもり、阿蘇地域で冬支度 「草小積み」づくり始まる

熊本日日新聞 | 2020年10月8日 19:00

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刈り取ったススキで「草小積み」を作る森本さん夫婦。左奥は根子岳=阿蘇市

 熊本県阿蘇地方の牧野で、冬場の牛馬の飼料としてススキやネザサなどを積んで保存する「草小積[こづ]み」づくりが始まった。茶色い枯れ草をこんもりと積んだ秋の風物詩が、道行く観光客を楽しませている。

 草小積みは昭和30~40年代までよく見られたが、畜産農家の減少や機械で巻く草ロールの普及で激減した。

 阿蘇地域世界農業遺産推進協会が、景観保全や伝統文化の伝承を目的に、5年前から牧野組合に依頼して作ってもらっている。今季は西原村の「萌の里」や、南阿蘇村の「あそ望の郷くぎの」など8カ所で計26基をつくる予定。

 阿蘇市小倉の県道阿蘇公園菊池線(通称ミルクロード)沿いでは7日、森本幸光さん(82)と妻ミサ子さん(77)が作業。40~60束を約2メートルの高さに手際良く積み上げた。

 65年以上続ける幸光さんは「観光客が写真を撮りに来てくれるのでうれしい。妻と2人で体力が続く限り頑張りたい」と話した。草小積みは2月ごろまで見られる。(東誉晃)