「若い世代に魅力ある地方や働く場を」 坂本哲志地方創生・少子化対策担当相に聞く

熊本日日新聞 | 2020年9月29日 12:30

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インタビューに答える坂本哲志地方創生・少子化対策担当相=28日、内閣府

 -地方出身の経験など自らの強みをどう施策に反映させますか。

 「地方と中央、両方の視座で幅広く見聞し、学んできたことが私の強み。政府にしかできないこと、地方でしか分からないことを理解している。首長や民間の方と意見交換し、地方に寄り添う形で進めたい。地方創生と少子化対策をともに担うのは私が初めて。『1億総活躍』も含めて全て関連する問題として取り組む」

 -地方創生は安倍政権で始まりましたが、東京一極集中はむしろ加速しています。

 「若い世代に魅力がある地方や働く場をつくり、女性が活躍しやすい環境を整備することが必要だ。新型コロナウイルスの影響で『分散型社会』が叫ばれ、テレワークが拡大している。これを推し進めることが一極集中の是正につながる」

 -政府は2020年時点で東京圏と地方の転出・転入を均衡させる数値目標を掲げていました。妥当ですか。

 「昨年12月策定の第2期『まち・ひと・しごと創生総合戦略』では、24年度に転出入を均衡させる目標を堅持しており、掲げ続けるべきだ。どう改善すれば分散型社会が実現できるのか、検証したい」

 -少子化対策は効果が得られているとは言い難い現状です。

 「結婚、出産、子育て、進学と切れ目のない対策を実施すること。財源の確保が最も重要になる。国民総運動になるので企業にも協力を呼び掛け、財源を得る工夫をしたい」

 -子どもの貧困対策はどう進めますか。

 「大事なのは、本当に困っている人たちに支援が届いているかどうかだ。コロナ禍で貧困が深刻さを増している可能性もある。自治体の意見を聞きながら、緊急の手当てと恒常的な施策に分けて対応したい」(並松昭光)