自転車保険の義務化検討 熊本県、年度内にも条例改正へ

熊本日日新聞 | 2020年9月29日 08:00

 熊本県は28日、自転車の利用者に損害賠償保険の加入を義務付ける方向で県条例の改正を検討する方針を明らかにした。2015年施行の現条例は加入を努力義務にとどめており、この規定を見直して年度内の改正を目指す。

 自転車が歩行者をはねた事故の民事訴訟では、1億円近い高額の賠償を請求されるケースが相次ぎ、条例で保険加入を義務付ける自治体が増加。県によると、福岡や鹿児島など16都府県が既に制定している。

 28日の県議会一般質問で、県環境生活部の藤本聡部長は条例改正の意義について「県民の安全安心な暮らしの推進につながる。新型コロナウイルス感染防止で自転車利用者の増加が見込まれ、重要性も高まっている」と述べた。自民党県議団の竹崎和虎氏(熊本市2区)への答弁。

 県によると、19年度の県民アンケート(20歳以上の男女747人が回答)では、自転車保険の加入率は53%。調査手法が異なり単純比較はできないが、国土交通省のまとめでは、加入を義務化した全国の自治体の加入率はおおむね60~70%台となっている。(内田裕之)