戦争遺産「保存、活用を」 荒尾、熊本両市でツアー

熊本日日新聞 | 2020年9月28日 16:00

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ピースくまもと設立準備会の高谷和生事務局長(左)の案内で旧陸軍歩兵第13連隊の正門跡を見学するツアー参加者=27日、熊本市中央区大江

 「くまもと戦争遺産をめぐる旅」の参加者20人が27日、戦後75年が過ぎても熊本県内各地に残る旧日本軍の施設跡や熊本大空襲の痕跡などを回り、足元に眠る戦争の記憶と平和の大切さをかみしめた。

 熊日主催、ピースくまもと設立準備会の共催。同会の高谷和生事務局長の案内で、荒尾市の東京第2陸軍造兵廠[しょう]荒尾製造所や、熊本市中央区の大甲橋そばにある熊本大空襲の慰霊碑などをバスで巡った。

 同市中央区大江の熊本学園大では、歩兵第13連隊の食堂跡(現第2体育館)や、正門跡のれんが塀を見学。高谷さんは「熊本城にあった陸軍第6師団の関連施設が大正時代に大江一帯に広がり、街が空襲の標的になった」と説明した。

 父親が同連隊に召集され、出征先の中国・南京で病死したという同市東区の矢澤信子さん(86)は「父たちがここで戦争の訓練をしていた事実を戦後世代に実感してもらうために、保存や活用が進んでほしい」と話した。

 ツアーは10月11日も開催。参加費は昼食代込みで9750円。申し込みは、旅のよろこびTEL096(345)0811。(堀江利雅)