福祉施設の樹木なぜ伐採? 熊本市西区 「豊かな自然」住民惜しむ声 害虫被害や倒木の危険、徘徊防止が理由
熊本日日新聞 | 2023年3月6日 20:28


熊本市西区にある養護老人ホームの樹木伐採をめぐり、近くの公園を長年利用する40代の男性会社員が「SDGs(持続可能な開発目標)が叫ばれる中で違和感を感じる」との声を熊日の「SNSこちら編集局」(S編)に寄せた。ホームは民営だが、土地は市の所有。取材すると、ホーム側にはホームなりの伐採する理由があった。
西区花園にある養護老人ホーム「明生園[みょうじょうえん]」は、もとは熊本市が設置運営し、現在は社会福祉法人・熊本市社会福祉事業団が管理運営している。記者が現場を訪ねた1月末は伐採作業の最終盤で、南側の道路沿いに木々は残っておらず、道路から建物を見渡せた。
男性が「豊かな自然」と惜しむ姿を確認しようと、米グーグルの地図サービス「ストリートビュー」で2019年10月時点の風景を見ると、道沿いにはツツジの生け垣があり、建物が隠れるほどの木々が緑いっぱいの枝を広げていた。
なぜここまで樹木を伐採することになったのか-。
事業団に尋ねると、古木に遮られてホームの日当たりは悪く、害虫にも悩まされていた。これまでは数年に一度、50万~60万円かけて剪定[せんてい]してきたが、「いよいよ追いつかなくなり、台風による倒木などの危険性も増した」という。雨どいに落ち葉が詰まって雨漏りもしており、「予算やマンパワーから管理が限界だった」とした。
生け垣も伐採したことについては、敷地外への見通しを良くして「認知症の入所者の徘徊[はいかい]を未然に防ぐため」と説明した。
数年かけて行われている伐採には事業団の予算のほか、熊本市の予算約90万円も使われた。S編に投稿した男性の「自然を大切にしてほしい」との声に、市高齢福祉課は「緑化の面も考慮して、今後は花を植えるなど検討したい」と話している。(伊藤恩希)
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