ウクライナの家族、熊本県玉東町に避難1カ月 就労・就学へ日本語学習、住民と交流も

熊本日日新聞 | 2022年9月22日 08:00

交流会で住民らと話すウクライナからの避難家族(右端の2人)=10日、玉東町

 ロシアによる軍事侵攻でウクライナから日本に避難した家族5人を熊本県玉東町が受け入れて、1カ月が経過した。家族は町内での就労や就学を視野に入れ、日本語の学習に励む。町在住の外国人や住民とも交流し、異国での落ち着いた暮らしを築きつつある。

 避難家族は、50代の夫ジョセフさん(仮名)と30代の妻アンさん(同)、ともに10代の長男と次男、未就学児の長女(10歳未満)。一家はウクライナ中部に住んでいたが、ロシア侵攻後に隣国ポーランドに避難。侵攻が長期化し、家族全員の受け入れが可能な避難先を探す中、玉東町の支援制度に応募し、8月に来日した。

 一家を支えるのは、難民支援などに取り組むNPO法人「れんげ国際ボランティア会」と町でつくる「オレンジネットワークプロジェクト」。日本語教室は、町に到着した直後から週4日、1回3時間程度、県内の日本語教師が読み書きや発音などを指導している。

 9日は町の交流施設「ゆめ・ステーション・このは」で、未就学児の長女を除く4人が受講。声を合わせてカレンダーの数字を「いち、に、さん、し…」と発音し、自己紹介やあいさつの例文を読み上げた。アンさんは「日本語の幾つかのフレーズは内容を理解できるようになった。日本語は話しやすいが、文字が難しい」とウクライナ語で手応えを話した。

 10日には、同町在住の外国人や地域住民約30人を集めた交流会が開催。一家も参加し、アンさんは根菜のビーツなどを煮込んだウクライナの家庭料理「ボルシチ」を手作りし、参加者に振る舞った。

 家族で町内を自転車で散策したり、路線バスなどを利用して熊本市や玉名市を観光したりしたこともあるという。アンさんは玉東町の風景を「山に囲まれて美しい」とたたえ、今後は「子どもたちが地元の学校で勉強できるようにしたい」と願う。

 町は長男と次男の就学について、町教育委員会や地元小学校と話し合いを重ねている。ジョセフさんについても町内の製造工場などを軸に、就職に向け調整を進めている。(丸山伸太郎、隅川俊彦)

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