20日告示の県議補選、参院選の「前哨戦」にならず 4人名乗り、3人無所属

熊本日日新聞 | 2022年05月15日 08:20

 現職2人の辞職に伴う県議会議員の熊本市1区補欠選挙は、20日の告示まで1週間を切った。2議席を巡る争いに、14日までに名乗りを上げたのは4人。3人が無所属で出馬する意向で、政党を前面に打ち出すのは共産党県委員会が擁立した1人にとどまる。3年に1度の参院選が間近に迫る中での戦いだが、前哨戦の意味合いは薄い。

 「党としては自主投票だが、非自民系の候補が当選してほしい」。立憲民主党県連の鎌田聡代表は12日夜、報道陣から県議補選への対応を問われ、苦々しい表情を見せた。

 辞職した2人の県議は立民と縁がある。濱田大造氏(51)は、昨年10月の衆院選で熊本1区に党公認候補として出馬。参院選で日本維新の会の比例代表候補となる松野明美氏は、一時は立民県連が「熊本選挙区の野党統一候補に」と秋波を送った相手だ。

 県議会(定数49)は、自民党県議団が全議席の7割超を占める。その一角を崩すためにも、鎌田代表は「本来なら独自候補を立てて議席を取りにいきたかった」と吐露する。

 しかし、今回の補選で県議復帰を狙う濱田氏は「無党派層や保守層の支持も取り込みたい」と、無所属での出馬を明言。かつて幹事長も務めた立民県連とは明確に距離を置いた。そこで県連は社会福祉団体の代表らの擁立を模索したものの、実現しなかった。

 これに対し、共産県委員会は国政選挙に4度挑んだ経験のある新人の西川悦子氏(68)を擁立。13日、県庁で記者会見した西川氏は「女性の政治参加が必要だ」と強調。松岡勝委員長は「非自民票の受け皿となり、野党系の議席を確保したい」と力を込める。

 残り2人の無所属新人は、当選した場合に自民での活動を希望している。

 不動産会社社長の堤泰之氏(47)は「地域のために一番貢献できるのが自民だ」と強調する。高森町を主な地盤に県議を4期務め、多くを無所属で活動した父の泰宏氏とは違う道を模索している。後援会事務所開きには交流のある、自民の木原稔氏(衆院熊本1区)も駆け付けた。

 シンガー・ソングライターのMICA=本名・杉嶌ミカ=氏(39)も自民入りを念頭に置く。選挙戦では、歌手活動を通じて築いた独自のネットワークを駆使して無党派層への浸透を目指すが、「自分が思う政策を実現するためには、与党で活動することが近道になる」と考えている。

 ただ、2人の意中の自民県連に公認や推薦を出す動きはない。来春に4年に1度の県議選を控え、定数12の熊本市1区には既に現職5人を抱えているからだ。前川收県連会長も「今回の欠員は、もともと自民の議席ではなかった。党勢拡大は重要だが、対応を焦る必要はない」と言い切る。

 県議補選の投開票は5月29日。参院選の公示が有力視される6月22日までわずか3週間ほどしかない。日程からすれば、参院選の前哨戦になってもおかしくないが、与野党第1党の自民、立民をはじめ、大半の政党が静観を決め込む。(県議補選取材班)

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