空港アクセス鉄道の再検討表明 蒲島熊本県知事、議会で「より効率的なルートも」

熊本日日新聞 | 2021年11月30日 12:33

11月定例県議会で、熊本空港アクセス鉄道の整備ルート再検討を表明した蒲島郁夫知事=30日、県議会棟

 熊本県の蒲島郁夫知事は30日の県議会本会議で、熊本空港アクセス鉄道の整備ルートを再検討すると正式に表明した。世界大手の半導体メーカー台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出を踏まえ、空港(益城町)とJR豊肥線三里木駅(菊陽町)を結ぶ現行のルート案以外も「スピード感を持って検討する」と述べた。

 TSMCとソニーグループは9日、豊肥線に近い菊陽町の第二原水工業団地に新工場を建設し、2024年末までに生産を始めると発表。1500人の新規雇用創出も打ち出した。蒲島知事は「(新工場周辺の)セミコンテクノパークへのアクセス向上、県内全域の交通網の利便性向上につながるよう、より効率的で効果の高いルートを検討する」と述べた。

 県はかつて三里木駅のほか、原水駅(菊陽町)と肥後大津駅(大津町)についても概略の事業効果を比較した経緯がある。今後、再検討の対象として、利用人数や建設費、工事期間など詳しく調査する方針だ。

 アクセス鉄道整備は、熊本市中心部とのアクセス改善が目的。現行の三里木駅ルートは、駅周辺の市街地を地下トンネルで通過し、熊本市東区の県民総合運動公園周辺に中間駅の設置が構想されている。

 ただ、6月県議会で需要予測を1日当たり7500人から5千人に下方修正し、累積収支の黒字転換は「開業33年目」となる見通しを示した。国に事業費の3分の1を求める財源案も実現不透明など、課題が多い。

 一部の県議から計画への疑問が指摘される中、県は今回のTSMC立地決定を計画推進の追い風にする考え。蒲島知事は県議会後、報道陣に「新たな違うステージに入った。三里木ルートと合わせ、ほかのルートも費用や利便性、将来性などをもう一度検討する」と強調した。(潮崎知博)

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