「自転車 歩道走っていいの?」 歩行者優先、ルール守って 

熊本日日新聞 | 2021年11月08日 14:10

歩道を進む自転車と歩行者ら=10月27日午前7時半ごろ、熊本市中央区九品寺2丁目の産業道路沿い
車線幅を縮めて確保した自転車専用レーンを走る自転車=10月27日午後3時半ごろ、熊本市中央区

 「歩道を自転車でわが物顔にとばしていく人。どうにかなりませんか。大きな事故につながると思います」。「SNSこちら編集局」(S編)に、熊本市の40代女性から投稿があった。そもそも歩道は自転車で走っていいの? 歩行者が身を守る方法は?(野村拓生)

 女性が特に怖いと感じているのは、熊本市中央区九品寺2丁目の市道(通称・産業道路)沿いの歩道。周辺には学校も多く、朝は歩行者と自転車で混雑する。10月27日の朝も、歩行者の脇を擦り抜ける自転車が多く見られた。女性はいつも、バスを待つ人の脇を走る自転車をひやひやして見ているという。

 熊本中央署の交通課によると、この場所は「自転車歩道通行可」区間。本多卓也交通2課長は「車が多く路側帯も狭いため自転車も通行できるが、あくまで歩行者優先。歩行者が危険を感じる走り方をしてはいけない」という。

 道交法によると、車両である自転車は車道を走行しなければならない。当然、左側通行だ。これが大原則だが、左右に関係なく歩道を走ることが許される“例外”もある。自転車歩道通行可の標識や標示がある歩道や、自転車に乗っている人が13歳未満か70歳以上の場合だ。

 ただ、自転車が通行できる歩道でも、細かいルールがある。歩道上では、車道側に寄って通行する。自転車同士が擦れ違う場合や、歩行者が多い場合は、自転車を降りて押すなど、歩行者の安全を確保しなければならない。

 県警は、高校生などを対象にスタントマンを使った実演などで、交通事故の恐ろしさを伝える講習会を開いている。自転車のルールも教えているが、県警交通企画課は「歩道を走行する際のルールは、浸透しきれていない」と明かす。

 九品寺2丁目の歩道を、子どもの送迎で自転車で走る30代女性も「『歩道の自転車は車道側』というルールは知らなかった。けれども車道側は斜めになっていて走りにくい」。

 一方、自転車を車道に誘導し、歩行者の安全を守る取り組みもある。熊本市は2013年、中央区の県立劇場前市道の両側約1キロに青く塗った自転車専用レーンを設けた。車線の幅を縮めてスペースを確保した。費用は1億2290万円。歩道も自転車で通行できるが、県劇のある東側は約20%、西側は約45%の自転車が専用レーンを利用。歩道の自転車を減らすことに成功した。

 ただ、九品寺2丁目の市道に関して市自転車利用推進室は「歩道も車道も幅に余裕がない。道路沿いにビルが立ち並ぶ場所では専用レーンは難しい」と話す。

 自動車は免許取得時に道交法を学ぶが、自転車は免許が必要なく、学ぶ機会がない。地道に交通安全教室や街頭での啓発活動などで周知していくしかないのが現状だ。

スタントマンによる歩行者と自転車の事故の実演=10月12日、熊本市南区の熊本農高

◆「危険な自転車たくさん」

 歩道を自転車が走る際には、道交法によるルールがある。県警が強調するのは、歩道はあくまで歩行者優先であることだ。ただ県警も分析しているように、これらのルールは浸透しきれていない。県警交通企画課は「自転車が必ずルールを守っているとは限らない、と思って歩道を利用してほしい」という。

 特に、小道から幹線道路に出る時や、塀などで視界が遮られた所から歩道に出る時は要注意だ。自転車が必ず車道側に寄って走っているとは限らないので、自転車と出合い頭にぶつかることがある。

 このほか、複数で並走している自転車は、しゃべっていると考えられるため、運転者の注意力が散漫になっている恐れがある。スマートフォンをいじったり、イヤホンを付けたりしての走行は違反だが、これも同じ事が言える。

 県警は「歩行者は『そんな危険な自転車がたくさん走っている』と心に留めて行動する必要がある」と注意を促している。

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