衆院選の女性候補、今回も増えず 全国186人 全体の17% 熊本県内「落下傘」1人

熊本日日新聞 | 2021年10月25日 11:43

衆院選のポスター掲示板。県内4選挙区の女性候補者は1人にとどまる=菊陽町

 今回の衆院選では、熊本県内4選挙区の立候補者10人のうち、女性は1人にとどまった。候補者数の男女均等を目指す「政治分野の男女共同参画推進法」が2018年に施行されてから初めての衆院選だが、実現への道のりは遠い。

 衆院選は1996年の総選挙から小選挙区比例代表並立制となり、今回で9回目。このうち、県内小選挙区の女性候補者が最も多かったのは2003年と12年の3人で、05年と09年はゼロ。割合で最も高かったのは、10人中2人が女性だった前回17年の2割だ。この間、女性の当選は1度もない。

 今回、女性で立候補したのは熊本3区のNHK党新人だけ。東京都在住で熊本と直接の縁がない「落下傘候補」だけに、県内女性の立候補は実質ゼロだ。

 全国的には、今回の衆院選の立候補者1051人のうち女性は186人で17・7%。前回の17・8%に届かなかった。政府は昨年末に閣議決定した第5次男女共同参画基本計画で、国政選挙の候補者に占める女性の割合を25年までに35%にする目標を掲げるが、程遠い状況だ。

 列国議会同盟(IPU)の調査(9月時点)によると、日本の衆院議員に占める女性の割合は9・9%で193カ国中165位。主要7カ国(G7)で最低だ。G7で2番目に低い米国でも27・6%で、大きく引き離されている。

 内閣府男女共同参画局の8月時点の調査によると、熊本は女性県議の割合も4・2%(2人)で全国で2番目に低い。岩田智子県議は「男性が仕事をし、女性が家庭を守るという意識が強く、女性の立候補は家族や親戚の理解を得られにくい面もある」と話す。

 推進法は、政党に対し候補者数の目標設定や選定方法の改善、人材育成を促しているが、いずれも「努力義務」にとどまる。熊本大法学部の伊藤洋典教授(政治学)は「女性議員が少ないと、女性目線の問題意識が政治に反映されにくくなる。今の選挙は組織力のある現職に有利な仕組みになっており、新人や女性が立候補しやすいように変える必要がある」と指摘している。(田上一平)

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