蒲島・熊本県知事、川辺川ダム推進

熊本日日新聞 | 2020年11月19日 13:42

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県議会全員協議会で、川辺川に流水型ダムの建設を求める考えを表明した蒲島郁夫知事=19日午前10時20分ごろ、県議会本会議場(後藤仁孝)

 熊本県の蒲島郁夫知事は19日の県議会全員協議会で、7月豪雨で氾濫した球磨川の治水対策について、国に対し、現行の貯水型による川辺川ダム計画を廃止した上で、環境負荷を減らすとされる流水型(穴あき)のダム建設を求める考えを正式表明した。知事は「住民の命を守り、地域の宝である清流を守る。命と環境の両立が民意」と述べた。

 2008年に蒲島知事自身が「白紙撤回」を表明し、民主党政権が09年に中止の方針を決めた川辺川ダム問題は、再び建設に向けて動きだす公算が大きくなった。

 表明で蒲島知事は、新たな流水型ダムへの転換に当たって、国に環境影響評価(アセスメント)を求めると明言。遊水地整備などのハード対策や早期避難のソフト対策を総動員した「流域治水」も進めるとした。

 7月豪雨では、球磨川流域で50人の犠牲者が出た。流域の12市町村長でつくる協議会はダム建設を含む治水対策を国、県に要望していた。