宇城、宇土両市の井戸でPFAS 最大13・2倍 熊本県発表 追加の周辺調査で暫定目標値を超過

熊本日日新聞 2025年2月14日 16:30
熊本県庁
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 宇城広域連合が管理する宇土市松山町の最終処分場の監視井戸から国の暫定目標値を上回る有機フッ素化合物(PFAS)が検出された問題で、熊本県は14日、2度目となる周辺の追加調査で宇城、宇土両市の井戸9本から目標値を超えるPFASを検出したと発表した。最大値は宇城市の660ナノグラムで目標値の13・2倍だった。

 県によると、県内の飲用井戸で検出された値としては過去最大。国は水道水や河川、地下水の暫定目標値を1リットル当たり50ナノグラム以下(ナノは10億分の1)としている。

 処分場では1月、敷地内の監視井戸からPFASを検出。その後の県の調査で、半径500メートル圏内の井戸2本でも目標値の超過が確認されたため、対象地域をさらに広げて両市の民家や事業所の井戸30本を調べていた。

 今回の調査では宇城市7本、宇土市2本の計9本の井戸から、目標値を超える70~660ナノグラムのPFASを検出。県は検出井戸からさらに半径500メートル圏内の井戸24本(宇城市)を追加調査しているが、「風評被害の恐れがある」として具体的な場所を公表していない。

 県庁で記者会見した県循環社会推進課の村岡俊彦課長は「一帯でPFASが検出された原因は現時点で分からない」と説明。ただ、処分場と井戸ではPFAS2種類(PFOS、PFOA)の濃度が異なることなどを踏まえ、井戸の目標値超過は処分場と関係がないと判断したという。

 県の要請で県内の市や広域連合などが管理する一般廃棄物最終処分場のPFASを調査したところ、宇土市の処分場を除く28施設は目標値以下だった。

 PFASは自然界や体内で分解されにくく、発がん性などの影響が報告されている。(小山智史)

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