【独自】長期治療の負担据え置き 高額療養上げで政府修正案
![高額療養費制度を巡り、がん患者団体などと面会する福岡厚労相(右から2人目)=12日午後、厚労省](/sites/default/files/images/newspack/2025-02PN2025021301001925.-.-.CI0003.jpg)
![高額療養費引き上げ修正のイメージ](/sites/default/files/images/newspack/2025-02PN2025021301001928.-.-.CI0003.jpg)
政府が、医療費が高くなった場合の自己負担を抑える「高額療養費制度」の上限額を引き上げる方針を一部修正し、長期の治療を受けた患者の負担を据え置く案を検討していることが分かった。「治療を諦めざるを得なくなる」と不安を訴えるがん患者団体などの声に配慮した。詳細を詰めた上で近く公表する。関係者が13日、明らかにした。
直近12カ月以内に3回利用すると4回目から負担が軽減される仕組み「多数回該当」の上限額引き上げを見送る方向だ。現在、平均的な年収区分「約370万~770万円」で多数回該当を適用した場合の上限月額は約4万4千円。政府方針では、2025年8月から段階的に引き上げ、27年8月に最大で約7万7千円とする予定だった。修正案では引き上げず、現行の約4万4千円のままとする。
政府方針は昨年末に決定。多数回該当が適用されないケースも含めて上限額を引き上げるとしており、25年度予算案に反映させた。これに対し野党や患者団体から批判の声が上がっていた。
がんや難病の患者団体と12日に面会した福岡資麿厚生労働相は「見直しの在り方を考えたい」と言及。長期治療が必要な患者の負担緩和策の検討を進めていた。