欧州中央銀行、4会合連続利下げ 2・75%に、対米摩擦懸念
【フランクフルト共同】欧州中央銀行(ECB)は30日の理事会で、政策金利として重視する中銀預金金利を0・25%引き下げ、2・75%にすると決めた。利下げは4会合連続。物価高騰が和らいでいることに加え、トランプ米政権の発足で米国との貿易摩擦激化への懸念が強まる中、弱い経済を下支えする。
欧州の対米貿易黒字は巨額に上り、トランプ米大統領が貿易不均衡の是正を訴えて関税強化をちらつかせている。ラガルド総裁は記者会見で、貿易摩擦が拡大すれば、輸出の減少や世界経済の弱体化を招き「ユーロ圏の成長を下押しする恐れがある」との見方を示した。
ECBは2%のインフレ目標を掲げて金融政策を運営する。ユーロ圏の昨年12月のインフレ率は2・4%と、3カ月連続で加速した。30日公表の声明で、インフレ抑制が「順調に進んでいる」との認識を改めて示し、2025年中にインフレ率が2%まで低下すると予測した。新たな金利は2月5日から適用する。