壱岐、離島から甲子園切符 21世紀枠で初出場
選抜高校野球大会の出場校が24日に決まり、九州北西の玄界灘に浮かぶ壱岐島の壱岐(長崎)が困難な環境を克服したとして21世紀枠で選ばれた。21人の全部員が地元出身。島外での練習試合では移動の負担も小さくないが「壱岐から甲子園」を合言葉に、春夏通じて初めて切符をつかんだ。
吉報に選手たちは抱き合って叫び、目を潤ませた。他校の誘いを断って島に残った主将の浦上脩吾投手は「小さい頃からの夢がかなってうれしい。プレーで島を勇気づけたい」と目を輝かせた。
人口約2万4千人の離島は、うにや「壱岐牛」が有名。九州本土までは船で片道1~2時間かかり、天候次第では欠航もあって実戦の機会が限られている。年に約20回の遠征で費用は総額600万円ほどと、経済的な負担も大きい。
ハンディを抱えながらも秋季九州大会で8強入り。移動の船内でミーティングを開いたり、地域住民から提供された丸太を持って体を鍛えたりと工夫を重ねて聖地への道を切り開いた。坂本徹監督は「離島でもやれると示したい」と意気込んだ。