夜間中学に通い、妻にラブレター 実話を映画化、奈良で試写会
読み書きができずに苦労を重ね、20年間かけて夜間中学に通った奈良市の西畑保さん(89)が、妻にラブレターを贈るまでの実話を描いた映画「35年目のラブレター」(塚本連平監督)の試写会が20日、舞台となった奈良市で開かれた。3月7日から全国で上映する。
西畑さんは和歌山県出身。小学校に当たる国民学校でいじめを受けて不登校となり、10代から働き始めた。30代で結婚。長年支えてくれた妻に感謝の手紙を書きたいと64歳で奈良市の夜間中学へ入学した。
「君のおかげで今の僕があります」などと書いたラブレターを贈ったことが話題となり、映画化につながった。映画では西畑さんの役を落語家笑福亭鶴瓶さんが演じる。
塚本監督は上映後の舞台あいさつで、映画化までを振り返り「西畑さんが書いたラブレターを見て、すごく心を打たれた。素朴だが、愛情にあふれていた」と語った。西畑さんも登壇し「一人でもたくさんの人に見てもらいたい」と笑った。
文部科学省によると、夜間中学は24都道府県に53校ある。
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