「警察密着２４時」放送倫理違反　ＢＰＯ、テレビ東京の番組巡り

　放送倫理・番組向上機構（ＢＰＯ）の放送倫理検証委員会は１７日、テレビ東京の番組「激録・警察密着２４時！！」を巡り、「視聴者の信頼を裏切る放送だった」として、放送倫理違反があったとの意見を公表した。事後撮影の映像を使い、あたかも１年にわたって密着取材したかのように誤解させたと認定した。

　意見によると、問題となったのは、大ヒットアニメ「鬼滅の刃」を連想させる商品に絡む愛知県警の不正競争防止法違反事件を取り上げた２０２３年３月の放送回。実際には計２日のみの密着取材で、それ以外はほとんど事後撮影だったが、そのことを明らかにせず「視聴者との基本的な約束を裏切るもの」と指摘した。

　また、逮捕された４人のうち、３人が不起訴になったことに言及しなかったとし、「無罪推定の原則を無視し、私人を犯罪者と決めつけた」と非難した。

　テレ東の石川一郎社長は昨年５月の記者会見で「関係者の名誉を傷つけた」などとして番組の制作中止を発表。６月に放送当時の制作局長らを懲戒処分にするなどした。