中国俳優、国境で人身売買被害に 髪そられ、詐欺メッセージ作成
【北京共同】タイを訪れた中国人俳優の男性が1月初旬、ミャンマーとの国境地帯で一時行方不明となり、ミャンマー国内で保護された。犯罪組織が映画の撮影と偽って連れ去ったとみられ、タイ警察は俳優が人身売買の被害に遭ったと確認した。中国メディアなどが13日までに伝えた。
中国やタイと国境を接するミャンマーの一部地域では、犯罪組織が偽の求人などで集めた中国の若者らを監禁して詐欺に加担させ、問題となっている。俳優は詐欺組織の拠点に連行されて髪をそられ、詐欺メッセージを作成する訓練をさせられていたという。同じ建物に約50人の中国人がいたとも証言した。
行方不明になったのは王星さん(31)。通信アプリを通じてタイのエンターテインメント企業の関係者をかたる人物から撮影の話を持ちかけられ、1月3日に上海からバンコクに到着。迎えの車で空港からミャンマー国境に向かい、タイ北西部メソトで消息が途絶えた。
心配した王さんの恋人がインターネット上で支援を呼びかけ、中国で安否を懸念する声が高まった。