ガザ死者数、4割多い可能性 英研究、死亡率「非常に高い」
【エルサレム共同】ロンドン大衛生熱帯医学大学院などの研究チームはこのほど、パレスチナ自治区ガザの戦闘開始から最初の9カ月のガザ側の死者数は、ガザ保健当局の統計より約4割多い可能性があると英医学誌ランセットに発表した。死亡率は「非常に高く」、死者数が過小評価されていると警鐘を鳴らした。
ガザ保健当局は、戦闘が始まった2023年10月から昨年6月末までの死者を3万7877人と発表していたが、研究チームの推計では、死者は41%多い、6万4260人となった。戦闘開始前の人口222万7千人の2・9%、約35人に1人が死亡した計算になる。
研究チームは、一部の調査から全体を推計する「捕獲再捕獲法」と呼ばれる手法を使った。死者の59%は、戦闘員の可能性が低いと考えられる女性、子供、65歳以上の高齢者だったと推計した。
ガザ保健当局の統計には信頼性があったが、今回はイスラエル軍の医療機関に対する攻撃激化で電子データの記録が困難となり、過小評価をもたらしたと分析した。
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