カーター氏国葬、ライバルが弔辞 「天国での再会楽しみに」
【ワシントン共同】「ライバルだったが、深い友情を育んだ。(天国での)再会を楽しみにしている」。9日の民主党カーター元大統領の国葬で、1976年大統領選でカーター氏に敗れた共和党の故フォード元大統領が生前に用意していた弔辞を息子スティーブンさんが読み上げた。党派を超えた絆に、参列者は和やかな雰囲気に包まれた。
2006年に死去したフォード氏は弔辞で、カーター氏と選挙で舌戦を交わしたが、その後に意気投合し「政治を超越した友情」を培ったとした。「カーター氏がもたらした平和と慈悲の遺産は時代を超えて唯一無二の存在であり続ける」とし「話したいことがたくさんある。旧友よ、ようこそ」と呼びかけた。
スティーブンさんはフォード氏が亡くなる前、カーター氏と互いに弔辞をしたためることを約束していたと紹介。米国で党派対立が深刻化する中、参列者の多くは癒やされたような表情を見せていた。
カーター氏の副大統領だった故モンデール氏=21年死去=が生前に用意した弔辞も読まれ「私たちの関係は破綻しなかった」と振り返った。