邦人殺害「Xマスで金必要」供述 過去にも強盗、麻薬常習も
【サンパウロ共同】ブラジル最大都市サンパウロの警察は26日、路上で日本人男性を銃で殺害したとして、逃走していた30代の男を容疑者として拘束した。事件は24日に発生。捜査関係者は共同通信の取材に、男が「仕事がなく、クリスマスを迎えるための金がほしかった」と供述していると明らかにした。日本人男性とは面識がなかったという。
殺害されたのはフクドメ・ススムさん(78)。サンパウロ東部で家族と車に乗ろうとしていたところ、近づいてきた男が金銭を要求した。フクドメさんは現金を持っておらず、拒否すると男は妻のバッグを奪い、銃を発砲して逃走した。フクドメさんは胸を撃たれ死亡した。
現場はスラムが点在する住宅街。男は事件後、近くのスラムに潜伏し、別の場所に逃亡するための準備を進めていた。過去にも強盗事件を起こしており、麻薬を常習的に使っていた。警察は銃の入手や逃亡などで協力した人物がいるとみて捜査している。
サンパウロでは強盗や窃盗事件が相次いでいる。携帯電話やバッグを奪われるなど日本人が被害に遭う例も多い。