芸能事務所の問題行為が明瞭に　報告書で業界健全化加速期待

　退所や移籍に対する圧力など、以前から注目されてきた芸能事務所と芸能人を巡るトラブル。２６日発表の公正取引委員会の調査報告書について、識者は「これまで芸能界の内情はブラックボックスだった。事務所側のどんな行為が問題になるのか、芸能人にも明瞭になった」と評価し、業界健全化に向けた動きが加速することを期待する。

　ＮＨＫ連続テレビ小説「あまちゃん」に主演し国民的人気を得た能年玲奈さんは２０１５年の独立騒動後、テレビへの出演が激減。芸名を「のん」に改名した。１９年には、テレビ局などに「ＳＭＡＰ」の元メンバーを出演させないよう圧力をかけた疑いがあるとして、公取委が旧ジャニーズ事務所を注意。芸能界の古い体質が垣間見える事例はたびたび報じられた。

　旧ジャニーズ事務所からタレントを引き継いだ「ＳＴＡＲＴＯ　ＥＮＴＥＲＴＡＩＮＭＥＮＴ」のＣＥＯの福田淳氏は昨年、「本来、タレントに選択の自由、移籍の自由もあるべきだ」と強調。「（事務所を）出たら許さないぞということが仮にあれば、正常な商取引とはいえない」とした。