田中熙巳さん「核で命守れるか」 被団協代表、各国メディアに訴え
【オスロ共同】日本原水爆被害者団体協議会(被団協)代表委員の田中熙巳さん(92)は9日午後(日本時間同夜)、オスロ市内で記者会見に臨み、「核兵器も戦争もない世界をつくりたい」と訴えた。各国から約50の報道機関が詰めかけた。
緊張した面持ちでノーベル賞委員会のフリードネス委員長と壇上へ。冒頭、受賞決定について「喜びが湧いてきている」と話し、顔をほころばせた。
核抑止論について問われると一変し「核兵器で本当に命や財産が守れるか。守れない」と語気を強めた。若い世代に向けては「核兵器が使われるかどうかは未来の問題」と述べ「長くない人生の中でも最大限の力を振り絞って、核兵器は人類と共存させてはいけないと伝えたい」とバトンを渡す決意を語った。
「人間同士の対話の中で核兵器がどういうものか語られなければ、核兵器の真の姿を見抜くことはできない」。約50分の会見で熱っぽく語った。終了後は、代表委員田中重光さん(84)と箕牧智之さん(82)も一緒に写真撮影に応じた。
3人は8日夜、オスロ郊外の空港に到着した。