白人被告の黒人制圧死結審 NY、人種問題に波及も
【ニューヨーク共同】米ニューヨークの地下鉄で昨年、ホームレスの黒人男性を制圧しようと首を絞め、死亡させたとして、過失致死罪などに問われた白人の元海兵隊員ダニエル・ペニー被告(26)の公判が3日、ニューヨーク州地裁で結審した。陪審が有罪か無罪を話し合う評議に入った。
他の乗客を守るためだったとして無罪を主張する被告を称賛する声がある一方、黒人の社会的弱者への過剰な暴力という批判もあり、人種問題への波及が懸念される。
米メディアによると、被害者のジョーダン・ニーリーさん=当時(30)=は昨年5月、地下鉄の車内で食べ物を無心して上着をたたきつけ、叫んでいたところ、ペニー被告に背後から腕で約6分間にわたって首を絞められ、死亡したとされる。
検察は、武器を持っていないニーリーさんに対し、被告は車両が停止して乗客が避難した後も首を絞め続けており「やり過ぎだった」と強調した。
弁護側は地下鉄の狭い車内でニーリーさんが周囲に危害を加える恐れがある中、被告が他の乗客らのために「自らの命を危険にさらした」と訴えた。