全国交通系ICカードでの運賃決済、16日から使用できず 熊本県内の路線バスと電鉄電車
熊本県内で路線バスと熊本電鉄電車を運行する5事業者は、運賃の決済手段としてSuica(スイカ)といった全国交通系ICカード(全国IC)を使うことを16日の始発から廃止する。対応する機器の更新にかかるコストが大きいことを理由に決めた。
5社はいずれも熊本市に本社を置く九州産交バス、産交バス、熊本電気鉄道、熊本バス、熊本都市バス。来年3月上旬に代替手段を導入するまでの4カ月近い〝空白期間〟は原則、現金もしくは地域限定型の交通系ICカード「くまモンのICカード」での決済に限られる。5社は、くまモンのICカード購入といった「事前の準備」を利用者に呼びかけている。
3月上旬に導入する代替手段はクレジットカードやデビットカードなどによるタッチ決済。新たな機器に取り換えるコストは全国ICに対応する機器を更新する半額程度で済むという。国などの補助も得られるため、5社は実質負担額が更新の5分の1程度になるとはじいている。
2023年度の路線バスと熊本電鉄電車の決済手段は、くまモンのICカードが51%を占めて最多。現金や乗り放題パスなどの紙券は25%、全国ICは24%だった。
一方、熊本市内を走る市電については、市交通局が今年5月、機器更新費の高さを考慮して25年度中に全国ICの決済を廃止する方針を示した。市電はクレジットカードやQRコードでのタッチ決済の導入を終えている。(立石真一)
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