ロシア系ハッカーが遺伝研を脅迫 150万円要求、被害なく
国立遺伝学研究所の生命情報・DDBJセンターは4日までに、ロシア系ハッカー集団から「サイバー攻撃でDDBJのデータを盗んだ。1万ドル(約150万円)を支払わなければ公開する」と脅迫を受けたと発表した。実際には攻撃を受けておらず、データが盗まれるなどの被害はなかったという。
ハッカー集団は盗んだデータの一部を、攻撃に成功した証拠として公開した。センターが分析したところ、無料で閲覧できるデータだった。国立遺伝学研究所の黒川顕教授は「公開データを使った脅迫は無意味だ」と話した。
センターは10月8日夜、「DDBJのデータの5%を公開し、1万ドルを支払わなければ残りの95%も公開する」との犯行声明がX(旧ツイッター)に出ていることに気付いた。システムへの不正侵入や、データの改ざん・消失がないかどうかを調査したが確認されなかった。
ハッカー集団は今年6月ごろに活動を始めた。10月から日本への攻撃を宣言し、日本企業や団体の機密データを盗んだと主張したが、標的とされた企業や団体は被害がなかったとしている。