運行トラブル続く熊本市電 市交通局が安全管理強化の専門部署を検討 統括管理者の専任も

熊本日日新聞 2024年10月9日 18:38
熊本市電のトラブル防止のための課題を整理した第三者委員会=9日、市交通局
熊本市電のトラブル防止のための課題を整理した第三者委員会=9日、市交通局

 熊本市交通局は9日、市電で相次ぐトラブルへの対策として、安全管理を担う専門部署の設置を検討していると明らかにした。兼任だった安全統括管理者を専任とし、体制を強化する。同日開いた第三者委員会(会長・吉田道雄熊本大名誉教授、4人)の第4回会合で報告した。

 市電では今年に入り、ドアを開けたまま走行するなど、3件の「重大インシデント」を含む12件の運行トラブルが発生している。国土交通省九州運輸局は9月20日、市交通局に対し改善を指示している。

 市交通局によると、安全管理はこれまで運行管理課が業務の一部として担っていた。新部署は安全統括管理者の直属とし、乗務員育成、資質管理、指導教育、事故防止対策などを専門的に担う方針だ。安全統括管理者は現在、大江営業所長が兼務している。

 第三者委では、市交通局全職員に実施したアンケートの結果も報告。仕事に対するやりがいは、「感じている」が53・6%で「感じていない」の40・4%を上回った。一方、仕事や生活に対する不安は、「ある」が66・2%で、来年4月に予定されている上下分離方式導入に関する不安も多かったという。

 この日は、これまでの第三者委で出た意見や九州運輸局の保安監査の指摘を踏まえ、課題を整理した。年内に最終報告書をまとめ、市交通局が講じるトラブル防止策につなげる。(山下雅文)

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