警視庁元公安部員「捜査に問題」 大川原化工機事件、東京高裁

共同通信 2024年10月9日 19:06
 4月、警視庁本部前で取材に応じる「大川原化工機」の大川原正明社長(右)
 4月、警視庁本部前で取材に応じる「大川原化工機」の大川原正明社長(右)

 生物兵器製造に転用可能な装置を無許可輸出したとする外為法違反罪の起訴が取り消された大川原化工機の大川原正明社長(75)らが、東京都と国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審口頭弁論が9日、東京高裁であった。警視庁公安部に当時所属した警察官は原告側の証人尋問で、輸出規制を所管する経済産業省に警視庁独自の解釈を認めさせたとし「(立件は)日本の安全を考えたものではなく、決定権を持つ人の欲だと思う。捜査に問題があった」と述べた。

 問題となったのは霧状の液体を熱風で瞬時に粉末化する「噴霧乾燥装置」。規制対象の「滅菌または殺菌できるもの」に該当するかが判然としていなかった。

 この日の尋問で警察官は、装置が規制対象となるよう、1種類でも熱風で細菌が死ねば「殺菌」になるとの解釈を警視庁がつくったと証言。当初経産省は解釈の受け入れに難色を示したが、その後に判断を一転させたという。

 大川原社長や相嶋さんら3人は2020年3~6月に逮捕、起訴された。東京地検は初公判直前に、犯罪に当たるかどうか疑義が生じたとして起訴を取り消した。

RECOMMEND

あなたにおすすめ
Recommend by Aritsugi Lab.

KUMANICHI レコメンドについて

「KUMANICHI レコメンド」は、熊本大学大学院の有次正義教授の研究室(以下、熊大有次研)が研究・開発中の記事推薦システムです。単語の類似性だけでなく、文脈の言葉の使われ方などから、より人間の思考に近いメカニズムのシステムを目指しています。

熊本日日新聞社はシステムの検証の場として熊日電子版を提供しています。本システムは研究中のため、関係のない記事が掲出されこともあります。あらかじめご了承ください。リンク先はすべて熊日電子版内のコンテンツです。

本システムは「匿名加工情報」を活用して開発されており、あなたの興味・関心を推測してコンテンツを提示しています。匿名加工情報は、氏名や住所などを削除し、ご本人が特定されないよう法令で定める基準に従い加工した情報です。詳しくは 「匿名加工情報の公表について」のページ をご覧ください。

閉じる
注目コンテンツ
全国のニュース 「社会」記事一覧