ヒズボラ指導者「殺害」と発表 イスラエル、報復必至で新局面に
【エルサレム共同】イスラエル軍は28日、レバノンの首都ベイルート南部にある親イラン民兵組織ヒズボラ本部を27日に空爆し、指導者ナスララ師(64)を「殺害した」と発表した。ナスララ師は地域大国イランの支援で、ヒズボラを30年以上率いた精神的支柱。殺害が事実ならヒズボラ側の報復は必至で、昨年10月のパレスチナ自治区ガザでの戦闘を受けて始まった中東の緊張は新たな局面に突入する。
ヒズボラはナスララ師の安否について声明を出していない。イスラエル軍のハレビ参謀総長は殺害発表後「これで終わりではない」と述べ、攻撃継続の考えを強調した。
交戦開始後、ベイルートに対する最大規模の空爆だったとみられ、ビル6棟が全壊した。レバノン国営通信によると、6人が死亡し、90人以上が負傷した。ナスララ師の娘が死亡したとの報道もある。
イランのアラグチ外相は国連安全保障理事会の会合で、27日の攻撃には米国がイスラエルに提供した、地下施設への直接攻撃が可能な特殊貫通弾(バンカーバスター)が使われたと非難した。