熊本城ホール、4年連続赤字 23年度1億5682万円 熊本市は補塡せず 長期利用が入らず、物価高騰も影響
熊本市は17日、大規模集客施設「熊本城ホール」の2023年度収支が1億5682万円の赤字だったと明らかにした。赤字は年間収支で比較できる20年度から4年連続。23年度は長期利用が減ったことや物価高騰などが影響し、22年度より赤字が膨らんだ。
熊本城ホールは19年12月に全面開業。民間4社でつくるホール運営共同事業体が指定管理を受けている。熊本市は共同事業体との協定に基づき、赤字の補塡[てん]はしない。
23年度は新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行して人の動きが活発になったが、コロナワクチンの大規模接種会場の代わりとなる長期の催事が入らなかったことなどが響いた。
ホール別の稼働率はメイン39・2%、シビック51・4%、展示40・8%と目標の5~6割程度にとどまった。市は今年の開業5周年を機にホールの周知や大規模催事の誘致に力を入れる。
市誘致戦略課によると、ホールの収支は20年度3億1791万円、21年度1億4820万円、22年度6959万円の赤字。20、21年度は新型コロナの感染拡大が原因のため、特例で市が計約5億円を指定管理料として支払い、赤字補塡に充てた。
23年度の収支は市議会予算決算委員会で説明した。大西一史市長は「コロナ禍の影響は完全に払拭[ふっしょく]されていない」との認識を示し、「熊本城ホールの地理的、機能的優位性を先頭に立ってアピールし、地域経済の活性化をけん引する施設となるよう努めたい」と述べた。(臼杵大介)
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