熊本・大津町の地価上昇率、商業地と工業地の計3地点が全国1位 前年比33・3% TSMC進出が押し上げ
熊本県が17日に発表した2024年7月1日時点の基準地価は、大津町の地点の前年からの上昇率が、商業地と工業地のいずれでも、全国トップとなった。台湾積体電路製造(TSMC)の半導体工場の菊陽町への立地が、周辺地域の地価を軒並み押し上げた。
大津町室と大津町大津の商業地の上昇率が33・3%。同じく大津町室の工業地も33・3%だった。この3カ所が林地を除く全国2万1003地点の中で最も高い伸びを示した。大津町室の商業地は2年連続の全国一。
このほか、菊陽町津久礼の商業地が32・5%で全国4位の上昇率。菊池市旭志川辺の工業地が32・3%の5位、合志市幾久富の工業地が29・5%の7位で続いた。トップ10入りは前年の3カ所から6カ所に増加。いずれも、TSMCの工場に比較的近い場所だった。
県内では林地を除いて468地点を調査し、前年から継続して比較できたのは455地点。その平均変動率はプラス1・8%となり、全国のプラス1・4%を上回った。3年連続の上昇。前年のプラス1・2%からは0・6ポイント拡大した。
用途別に見ると、商業地(110地点)はプラス2・8%と、3年連続の上昇。大津町のプラス31・5%、菊陽町のプラス25・1%は、全国の市区町村で1位と2位の上げ幅だった。
住宅地(326地点)はプラス1・0%と、3年連続で上昇した。上げ幅の県内トップは菊陽町の11・5%。大津町10・8%、合志市7・6%が続いた。
工業地(23地点)はプラス9・0%と大幅にアップした。TSMCの第2工場建設決定で、関連企業の旺盛な需要を呼び込み、8年連続の上昇となった。
宅地見込み地9地点も加えた全用途も、大津町のプラス19・4%、菊陽町の16・9%が突出。両町や熊本市を含む16市町村がプラスとなった。阿蘇市と高森町が横ばい。八代市や人吉市など27市町村がマイナスとなり、下落率の最大は五木村の3・7%だった。
一方、新型コロナ禍から人流が回復し、インバウンド(訪日客)が増えたことで、上通や下通を含む熊本市の中心商業地に活況をもたらした。平均でプラス3・0%と2年連続の上昇。
1平方メートル当たりの商業地の最高価格は、31年連続で下通1の3の7の242万円(前年比プラス1・7%)。住宅地は7年連続で熊本市中央区新屋敷1の10の23の24万8千円(プラス7・8%)だった。(岩崎皓太)
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