熊本県内の「企業版ふるさと納税」過去最多に 2023年度、県と45市町村で7億3190万円 災害復旧や子育て支援に活用
企業が自治体の地方創生の取り組みに寄付する「企業版ふるさと納税」の2023年度の熊本県内寄付額は、県と全45市町村で計549件7億3190万円となり、件数、額ともに過去最多となった。
内閣府のまとめでは、熊本県と県内市町村の寄付件数と寄付額は、20年度74件4億1610万円、21年度213件6億2390万円、22年度323件4億9600万円と増加傾向にある。県は企業で制度が浸透しつつあるとみている。
企業版ふるさと納税は、自治体が作成した地域再生計画に基づく事業に寄付すると、法人関係税が軽減される仕組み。制度は16年度に始まり、20年度からは寄付額の最大9割が損金算入や税額控除により軽減できるようになった。
県企画課によると、23年度は県と全45市町村が寄付を受け付けた。内訳は集計中だが、災害の復旧復興や子育て支援などに寄付が集まったという。県はこれまで、若者の雇用促進や球磨川の流域治水、ひとり親家庭の医療費助成や放課後児童クラブの施設整備などに活用している。企画課は「活用に縛りが少なく、基金にも積み立てられる。全国の企業から寄付があり、寄付額も増えてさまざまな事業に活用できた」と評価する。
企業版ふるさと納税には、企業側が費用を負担して自治体に専門人材を派遣する「人材派遣型」もある。県は21年から九州電力と連携協定を結んで温暖化対策に、23年からはデンソーと締結して農家の経営改善に取り組む。24年はゼロカーボン施策で西部ガスからの派遣を受け入れている。
内閣府によると、23年度の企業から自治体への寄付額は全国で前年度比1・4倍の469億9900万円だった。寄付件数は1・7倍の1万4022件で、いずれも制度が始まった16年度以降で最も多かった。(川野千尋)
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